ペインクリニック

─── 神部クリニック ───

ペインクリニック

ペインクリニックとは?

「ペインクリニック」とは何でしょう?

人間にとって最も耐え難いことは、痛みだと思います。
その痛みをとるのが、ペインクリニック(痛みの治療、疼痛専門外来)なのです。

当院では、全身の変化の把握と局所の変化を診断するため、CT・MRI等の画像診断を積極的に行い、 あらゆる角度から痛みの原因を探り神経ブロックを始めとする手術以外の方法での痛みの治療をしています。

ペインクリニックの詳細

ペインクリニックという診療科が出来てすでに30年以上にもなるのですが、 未だに「どのようなことをする科」 なのか知らない方が大勢いらっしゃいます。

それは今まで厚生省で麻酔科の標榜しか認めていませんでしたので、 麻酔科(ペインクリニック)と 標榜しているところが多かったようです。 当然当院もペインクリニックを開いた25年前からそのようにしておりました。

どうやら規制緩和処置で、今年中には是正されて、ペインクリニックの標榜が認められそうでしたが、今回も見送られました。

ペインクリニックを日本では、「痛みの治療」「疼痛専門外来」と訳していますが、 実は「痛み」の治療だけではなく、もっと広範囲のことを行っているので、それもこの後説明します。


A.ペインクリニックではどういう診療をするのか?
ということをお話ししますと、ペインクリニックの全貌がお解りいただけると思いますので、 ここではペインクリニックの診療について記載します。
全身の変化の把握と局所の変化を診断するため、通常の検査の他、 レントゲン検査や血液検査をルーチンに行います。 また必要ならサーモグラフィー・CT・MRI等の画像診断を積極的に行い、 あらゆる角度から、痛みの原因を探ります。
B.ペインクリニックではどういう治療をするのか?
治療に用いる手段治療は、「神経ブロック」を始めとする、手術以外の方法で、痛みの治療をします。
具体的にはリハビリや鍼治療等も行います。 中でも一番多いのは、圧痛部局所 (トリガーポイント)筋膜内注射です。 その他は交感神経を抑制する作用のある神経ブロックが主です。
C.神経ブロックの意義と効果
  • 痛みの伝わる経路をブロックし痛みをとります。
    痛みのある場所の知覚神経をブロックすることによって痛みを取り除くことができます。
  • さらに痛みの悪循環を断ち切ります。
    痛みは知覚神経を通って頭で痛みとして感じるだけでなく、反射性にその部分への血流を悪くしたり、 ケイレン(凝り)などを引き起こし、さらに痛みを悪くするという悪循環を形成します。
    特に慢性的に痛みのある方はこういった傾向が強くなります。
    この悪循環を断つことによって、短時間しか作用しない神経ブロックでも長期的な効果を得ることができます。
  • 血流を改善します。
    交感神経をブロックすることによって、血管を拡張させ血流を良くします。
    阻血による痛みを取ること、血行を良くして自然治癒力を高めることができます。
D.その他麻酔科医としての経験を生かした治療
麻薬に対する知識を応用した、癌性疼痛の管理または慢性疼痛や他科疾患に対してのアドバイスなどを行っています。

一番多い治療法について

圧痛部(トリガーポイント)
局 所 注 射

頭痛や肩凝り、背部痛、腰痛を訴える場合、よく見ると、圧痛と他にひびく場所があります。この場所をトリガーポイント(引き金の場所)と言います。

この一番強い痛みの場所は、経絡上の経穴(ツボ)に一致する場合が多いこと解ります。

主にこの場所に局所注射をしたり、針やレ ザーを照射したりします。

ペインクリニックの副作用的なこと

神経ブロックの副作用は、熟練した専門の医師が行う限り、多くはありません。

ブロックする場所、薬の量などによって、手や足がしびれることがありますが、治療上それが必要な場合があり、また時間が経てば元に戻ります。

緊張が強い患者さんでは、時に気分が悪くなることもありますが、安静にすれば治ります。

発熱している場合や体調が悪いときなどは神経ブロックは行いません。

神経ブロックの副作用は、起こるならばそのほとんどが施術してから短時間のうちに起こります。そのため、どんな神経ブロックでも施術してから一定時間は安静にしていただきます。(15分から1時間位:ブロックの種類によって異なります。 安静を守れない患者さんには神経ブロックはできません)

また神経ブロックは皮膚を厳重に消毒した上で殺菌した器具を用いて行いますが、まれに針を刺した場所が化膿することもありますが、適切な対処をすれば心配ありません。

いずれにしても治療の際に説明いたしますが、過大な心配はありません。